腰痛は多くの人々が経験する一般的な症状ですが、特に片側、つまり右側や左側にだけ痛みが出る場合、その原因は、特定の動作や姿勢が関係しているようです。
これは普段無意識にしている動作の影響で、自分でその原因を特定することは困難です。この記事では、片側の腰痛の主な原因と、それぞれの症状や対処法について解説します。
腰痛に悩む方が適切な対策を取れるよう、専門的な視点からの情報になりますので、ぜひ最後までお付き合い願います。
目次
片側の腰が痛い人がやりがちな5つの習慣
片側の腰に痛みが出てしまうという人は必ずと言っていいほど、日常生活においていくつか癖を持っています。ここで代表的なものを5つ紹介します。
いつも片足重心で立っている
「いつもの癖で右足に重心を置いて立っている」
通勤や帰宅の電車の中や、外の待ち合わせの時に座る場所がない場合、どうしても立っていないといけない時に、片方の足で立つ癖がある場合は要注意です。
デスクワークで1日7時間以上は座って仕事をしている
「仕事ではパソコンを長時間使っている。」
「座って仕事をしている時間が長い。」
と言うのも片側の腰が痛いという人で多い原因の一つ。長く座っている事で坐骨にかかる力が強くなり、どうしても骨盤にゆがみが出やすくなってしまいます。
ちなみに、一つの目安で1日に7時間以上座っている人は、7時間未満の人と比べて、腰痛のリスクが高くなるのでこれも注意です。
右側か左側どちらかの股関節だけ硬くて開かない
床の上であぐらをかく時、または居酒屋の座敷に座る際や、股関節のストレッチをする時に、片側の股関節が硬く開きにくいということはないでしょうか?これも片側の腰が痛くなってしまう原因の一つです。
股関節の開きが左右対称でないのは、立位、特に歩行時に骨盤の歪みを誘発します。それによって片側の腰が痛くなります。
家では椅子生活ではなく床に座る事が多い
これは特に女性に多く、家に帰るとソファーに座らず床に座ったり、ご飯を食べる時以外は床に座る生活を送ってしまってる人、小さいお子さんと遊ぶ時などに床に座り込むなど、家で床にそのまま座る事が多い人です。
その時、ほとんどのケースでは正座を和ることが少なく上の図のように、足を左右に流して横座りをする事にあります。実はこのような横座りを習慣的にしてしまっている人は、片側の腰痛を起こしやすくなってしまいます。
新幹線移動が多い。車の運転をよくする。
「営業などで車の運転をよくする」
「飛行機や新幹線、車での出張が多い」
このような乗り物に長時間乗っている姿勢が、片側の腰が痛くなる原因になります。特に車に乗りこむ場合(車が右ハンドルのケース)、座った時に肘掛けに手を置く人は、骨盤が左に傾く傾向があります。
なぜ腰痛は片側(左側や右側)に起こりやすいのか?
腰痛が起こる時、左右どちらかに偏ることが多いのはどうしてでしょうか?それは長期間偏った姿勢で起きる骨盤のゆがみにあります。では片側の腰ばかりが痛いという時、体の中ではどのような事が起こっているのでしょうか?
立っている時や座っている時の姿勢をくわしく見てみましょう。今回は左側に腰痛が出やすい人の場合を例に取ってみます。右側の腰が痛い人は、図を反転してイメージしてみてください。まず立っている時の腰周りの状態です。
左の図は腰痛が出にくい人の立ち方。重心は体の真ん中にあり、骨盤や下半身の骨も背骨を中心に左右対称でバランスが良いですね。よって左右の腰の筋肉の長さや張力も左右で同じになります。
一方右の図は、左側の腰が痛い人にありがちな立ち方です。重心は体の左側に傾き、右足にはほとんど体重が載っていない状態。したがって自分の体重をほぼ左脚で支えている事になっています。
そうすると左の骨盤が上に上がり、背骨は右から左に向かってカーブを描いているのがこの図から分かります。そして腰の筋肉はというと、左側の筋肉が緊張し短縮します。右側の腰が痛い人は、これとは反対の現象が起こります。
では次は、座る時の腰回りの状態を観察してみましょう。
左の姿勢はまっすぐ座っているために骨盤は安定し、背骨もまっすぐに伸びています。腰の筋肉の緊張状態も左右ともに均一で、バランスが良く腰痛が起きにくい状態と言えます。
それに対して右の姿勢は骨盤が右に傾き、背骨も同じく右に傾いてから上に行くに従って左にカーブして角度を変えています。そして腰の筋肉はというと、やはり立っている時と同様に左側が縮んでいるのがわかります。
このような片側に体重をかける姿勢は、デスクワークで長時間座っていたり、長時間の運転で無意識に取っています。これが常態化すると、背骨や骨盤に歪みが起きて戻らなくなります。そうして右側や左側など片側の筋肉が緊張を起こし、腰痛が起きてしまうという流れになります。
片側(右側や左側)の腰痛が消えるセルフエクササイズを紹介
ここまでで、腰に痛みが出る原因について詳しく説明してきました。ではここからは、片側の腰の痛みが無くなる方法についてお話しします。
結果的に腰痛を起こしているのは筋肉や神経ですが、腰痛を根本から消すには、腰の筋肉の緊張や神経の圧迫を取り除かなければなりません。それを起こしてしまっているのが「背骨と骨盤の歪み」だということを改めて理解しましょう。
このことを踏まえて、骨盤の歪みを解消するセルフエクササイズを紹介します。これは椅子に座って行うことができます。これを座っている時にこまめに行うと、日常生活で骨盤の歪みの定着が起きにくくなり、また今ある歪みも真っ直ぐに近づきます。片側の腰痛改善や今後の予防に繋がりますので、ぜひ行ってみてください。
骨盤の左右揺らし
①まずは座った状態でゆっくりと骨盤を左右に振る。
②その時に注意するポイントは、顔の位置はできるだけ動かさずに行う事。
③目線を水平に保ち、そして重心のみを左右に振る。
④慣れてきたら徐々にスピードを上げていく。
動きの中で「右はやりやすいけど左はやりにくい」というような歪みの癖を感じ取ることができるので、よく観察しながら左右同じように揺らせるように継続して行ってみよう。
⑤1回に行う時間は30秒から1分で、これを1日に3回行うようにしよう。
骨盤の前後揺らし
次は骨盤の前後の動きだ。
①おへそを前に突き出すように骨盤を前に傾ける。
②次におへそを後ろに下げて骨盤を後ろに傾ける。
③この2つの動きを一連の動作として骨盤を前後に揺らしてみよう。
④動きに慣れるまでは大きく前後に揺らして動きのコツを掴もう。
⑤動きに慣れてきたら今度は動きを小さく、骨盤だけの動きにして前後に揺らしてみよう。
この時はおへそを水平移動するように、そして頭の位置をできるだけ変えずに行う。
⑥そして動きのコツが分かってきたら、動きをどんどん早くしてみよう。
「腰全体を動かす」のではなく「骨盤を前後に揺らす」ことに注意を向けること。
※腰を反らせ過ぎたり丸めすぎたりすると、逆に腰を痛めてしまうので注意!
これも動きの中で、「後ろはやりやすいけど前はやりにくい」というような歪みの癖を感じ取ることができるので、前後に同じように触れるように継続して行う。
⑦1回に行う時間は30秒から1分で、1日に3回行うようしよう。
YouTubeで骨盤揺らしの様子をチェック!
文章だけでは伝わらない方のために、腰痛体操の動画も用意しています。1ヶ月も継続すれば、片側に出ていた腰痛はどんどん楽になっていきます。ぜひ試してみてください!
それでも片側(左側や右側)の腰痛が引かない場合は?
これでもなかなか腰痛が良くならない場合は、骨盤や背骨の歪みの定着が強い可能性があります。その場合は、筋肉や周りの靭帯が硬化している可能性があります。
そんな時は、骨格矯正専門の整体師に相談してみましょう。客観的な姿勢の観察や骨盤の検査によって、歪みの度合いが瞬時に分かります。整体施術と上記のエクササイズを併用することで、治りにくかった腰痛も楽になっていくことでしょう。
あなたの腰痛改善に向けて、できることから試してみることをお勧めします。
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