今回は椎間板ヘルニアになってしまって現在病院や整骨院などで治療をつづけている人へ向けてのお話です。
今現在、椎間板ヘルニアになっている人の多くが「どうしてヘルニアになってしまったのだろう?」という原因をはっきりさせないまま治療を専門家に任せている現状をよく見かけます。
あなた自身が病気の事を何も知らないまま相手に任せている状況、それであなたは不安ではありませんか?
例えば癌になった人は癌のことを、糖尿病になった人は糖尿病のことを最善の治療法を探すために必死に調べようとします。
椎間板ヘルニアも例外ではありません。
同じように情報収集しないと最善の治療にはたどり着けないでしょう。
今回は椎間板ヘルニアとは何か?その特徴的な症状と原因に至るまでお話をしていきます。
椎間板とは?
椎間板とは椎体と椎体の間に挟まるクッション素材のことです。
この椎間板はとても大切で、それぞれの椎骨の間にあることでジャンプや走ったりするときの衝撃を吸収し、また屈曲や伸展など体幹の運動がスムーズにできるようになります。
もしこの椎間板がなければ、背骨は骨どうしの接続になり、滑らかでスムーズな動きはできませんし、衝撃をもろに受けてしまいます。
そして、繊維質の素材の真ん中には、髄核というゼリー状の組織があります。
車のタイヤに例えると、もしタイヤの中に空気が入ってなかったら、路面の衝撃を吸収する事はできませんし、路面との摩擦が大きくなってしまいスムーズに転がりにくくなります。
それと同じように椎間板の中に髄核が入っている事でさらに衝撃吸収の役割を果たしてくれ、体の動きが滑らかに行えるようになっているのです。
椎間板ヘルニアとは何?
椎間板ヘルニアの「ヘルニア」とは”突出”を意味しており、椎間板が損傷して、中の髄核が飛び出した状態のことを言います。
しかし、ただ飛び出しているだけでは無症状で、上の図のように髄核が後ろに突出し、すぐ近くの神経に触れたり圧迫したりすることによって、特有の症状が現れます。
椎間板ヘルニアの症状
腰椎椎間板ヘルニアの症状は主に腰痛、そして脚にわたって症状が広がる”坐骨神経痛”を発症します。
詳しい症状としては、
・腰部の痛み、痺れ
・お尻の痛み、痺れ、感覚異常
・太もも、ふくらはぎへの放散痛、痺れ、感覚異常、筋力低下
・脚の筋力低下、麻痺、排尿排便障害、歩行障害
などがあり、軽度の圧迫から重度の圧迫によって症状も大きく変わってきます。
一般的な腰痛と椎間板ヘルニアには症状に違いがある
椎間板ヘルニアと一般的な腰痛とは病変部位が違うので、症状にも違いがあります。
一般的な腰痛は筋緊張や、筋損傷が原因で起こるため、腰部の筋肉から痛みが起こります。
それに対して椎間板ヘルニアは突出した椎間板による神経圧迫が原因で起こっています。
したがって、神経の圧迫がひどくなるような姿勢を取った時に、その神経がつながる部位に痛みを起こすのが特徴です。
よってお尻や脚に広がるような痛み、又は痺れを伴う坐骨神経痛を発症する事があります。
椎間板ヘルニアのもう一つの特徴は、圧迫される神経によって痛みや痺れ、感覚異常の症状が起こる場所が決まっているという事です。
上の図は腰の神経の支配領域を表したものです。
このように腰の神経は、下半身の決まった範囲の皮膚感覚や痛覚を司っているので、圧迫された部位によって痛みや痺れの症状が出る場所が分かるということになります。
例えばL4神経が圧迫を受けた場合は、太ももの外側からスネの内側に痛みや痺れ、感覚異常の症状が出るということになります。
これは、整形外科の検査をすれば、容易に判明します。
椎間板ヘルニアが起こりやすい腰の構造上の問題
先ほどもお話したように、腰椎椎間板ヘルニアとは椎間板が突出して後方にある神経にぶつかってしまい、圧迫を起こして症状を出すというものですが、そもそもなぜこんなことが起こってしまうのでしょうか?
椎間板の水分量が年々減り、もろくなる
一つは椎間板自体がとても弱い組織であるという事です。
椎間板というのは組織の中でも特に劣化が激しく、10代後半をピークに20代から老化の一途を辿ると言われています。
髄核の水分が無くなったり、椎間板の繊維輪に亀裂が入ったりします。
椎間板がもろくなると、ヘルニアを起こしやすくなるわけです。
腰椎は動きが大きく、その際椎間板に負担がかかりやすい
2つ目に腰椎は”可動性が大きい”という問題があります。
物を持ち上げる、前屈みになる、腰を反ると言った動きを行う時に、一番動きが大きい部分は腰椎なのです。
スポーツでの反復動作や重量物を持ち上げるような作業時、腰椎には大きな負荷がかかっています。
もちろんそこにある椎間板も力を受ける訳です。
それだけ椎間板にダメージが起きやすい場所だということですね。
椎間板ヘルニアとよく似た症状が他にもある?
実は椎間板ヘルニア以外にも似たような神経圧迫が起こるケースがあります。
それは腰椎のズレによる椎間孔の狭小です。
背骨には二つの腰椎によって作られる椎間孔(背骨から神経が出る穴)というものがあり、上下どちらかの腰椎がずれることによって、この椎間孔が狭くなることがあります。
これによっても、神経にストレスがかかり、椎間板ヘルニアと同じような症状が起こります。
Uenishi整体院で行なっている椎間板ヘルニア患者の治療方法
では椎間板ヘルニアを正しく見極めて治療するにはどうすれば良いのでしょうか?
ここでは、当院に来られた椎間板ヘルニアの患者様を、実際どのようにして診ているのかをお話しします。
検査によって神経圧迫の有無や度合いを調べる
当院では椎間板ヘルニアの検査として、整形外科テストを採用しています。
これによって病変の場所の特定や、椎間板ヘルニアと症状の一致部分を探します。
こうすることで、大体の情報が掴めるようになり、治療方針が決まります。
腰椎のズレを検査で確認し、それを取り除く
当院ではカイロプラクティックの技術を採用しています。
カイロプラクティックとは、骨のズレによって起こる関節の異常を見つけて、それを正常に戻すテクニックです。
カイロプラクティック独自の検査によって、関節の異常を見つけ、施術によって椎間孔が広がるように促します。
まとめ
ここまで椎間板ヘルニアについて詳しく解説してきました。
ひょっとしたら、今まで行なっていた治療の方針を、もう一度見直す時が来たのではないでしょうか?
椎間板ヘルニアは、よくわからない腰の病気ではないのです。
正しく理解することができれば、正しい治療を選択でき、症状を緩和させることができます。
今後の人生により良い選択を。
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