猫背 反り腰

猫背矯正目的の筋トレでやってはいけないこと

「猫背を治したい!」

そんな気持ちで猫背の治し方をいろいろ調べてみると、どうやら筋トレが良いらしい…。

と言うことで今一生懸命筋トレに励んでいるあなた!

「全く姿勢が良くなっている気がしない…」
「体を痛めてしまうようになった…」
「頑張って続けているのに思うように猫背が良くならない…」

そんなふうに感じていませんか?

実はその方法、間違ってるかもしれませんよ!

 

もしあなたが猫背をちゃんと治して姿勢を良くしたいと思うのなら、猫背改善=筋トレの発想を今すぐ取っ払いましょう。

そこで今回は、猫背改善でやってはいけない4つの代表的な筋トレと、なぜそれが逆効果になるのか筋肉の特性も合わせてお話ししますね。

 

筋肉の特性を知ろう。筋肉は鍛えると骨を強く引っ張る

筋肉は鍛えると筋繊維が太くなり、収縮力が強くなります。筋繊維が太くなれば、見た目が良くなり、基礎代謝も上がって痩せやすくなるなど、メリットもかなりあります。

しかし、筋トレのデメリットもあります。それはクールダウンを怠ると、筋肉はどんどん固くなってしまうというところです。

収縮力が強く固くなった筋肉は、伸びなくなります。これによって、姿勢が良くなるどころか、逆に悪くなってしまうのです。

例えば、

肩甲骨が前方に張り出し巻き肩になる、

腹筋が縮んで、背中が丸まる。

 

今回紹介する4つの筋トレは全て逆効果に働く筋トレです。

筋肉の働きをよーく理解しながら読み進めていくと納得できます。

では始めていきましょう。

 

広背筋トレーニング

姿勢を良くするために広背筋を鍛える人は多いですが、これは大きな間違いです。

まず広背筋を見ていきましょう。後ろから見るとこうです。

後ろから見た広背筋

前から見るとこんな感じ。

前から見た広背筋

広背筋の骨の付着を見てみると、骨盤や背骨から始まって腕の前にくっついていますよね?

この広背筋の収縮力が強くなるとどうなるか?

肩甲骨の動き

肩甲骨を斜め上の方向に持ってくるのです。

いわゆる肩甲骨が前傾して巻き肩になりやすいと言うことです。

広背筋が強くなると、このような姿勢になります。

横から見た姿勢

後ろからの姿勢です。

後ろから見た姿勢

このように肩甲骨が外に張り出し、肩は内にねじれてしまい、結果的に背中は丸くなってしまうのです。

 

腹直筋トレーニング

腹筋にもいろいろな筋肉がありますが、この場合は一般的に有名な腹直筋です。

腹直筋

この写真を見てわかるように、骨盤の恥骨から肋骨に付着しています。

腹直筋の収縮力が強くなるとどうなるか?

肋骨と骨盤の前方が近づくわけですから、本来前弯するはずの腰椎は逆に後弯してしまいます。

横から見た腹直筋

実際の姿勢はこんな感じです。

横から見たお腹

 

大胸筋トレーニング

大胸筋は胸の筋肉の代表格で、胸板が厚くなると姿勢が良く見えると思いがちですが、実際のところはどうでしょうか?

大胸筋

大胸筋は胸骨、鎖骨、肋骨から始まって、上腕骨に付いています。

この筋肉の収縮力が強くなると、上腕骨を肩甲骨ごと前に引っ張ります。

よって肩甲骨は背骨からは離れてしまい、外側に張り出してしまいます。

後ろから見た肩甲骨

大胸筋が強くなりすぎると見た目にはこのようになります。

横から見た上半身

横から見ると、肩が前方に移動して背中が丸まってしまい、巻き肩、猫背姿勢のリスクが上がります。

 

ハムスト筋トレーニング

実はハムストリングも鍛えすぎてしまうと、姿勢を崩してしまう要因となります。

横から見たハムストリング

ハムストリングは膝裏の下の脛骨という部分から骨盤の坐骨に付いています。

この筋肉の収縮力が強くなると、立つ時に膝が曲がってしまい、骨盤は後傾してしまいます。

下の図のような姿勢になります。

これによって、骨盤後傾の姿勢による猫背姿勢になりやすいと言うわけです。

横から見たお腹周り

広背筋、腹直筋、大胸筋、ハムストリング、この全てに共通するのが、「肩甲骨」か「骨盤」に付着しているというところです。

これは何を意味しているかというと、肩甲骨と骨盤の正しい位置こそが、姿勢を安定させるための要の骨だということです。

筋肉によってこれらの骨が引っ張られると、骨盤や肩甲骨の位置は変化して姿勢バランスが崩れるというわけです。

よって、筋トレで筋肉が硬くなってしまいやすい人は、こまめにストレッチをするようにしましょう。

丁寧に筋肉のケアをすることで、見た目のフォルムも姿勢も綺麗に仕上がりますので、ぜひ試してみてください。

 

まとめ

では今回の内容をまとめてみましょう。

✔︎筋肉は鍛えると収縮力が強くなるが、固くなることで弛緩しなくなり、猫背姿勢をさらに助長する事がある。

✔︎姿勢を崩しやすい筋トレは①広背筋②腹直筋③大胸筋④ハムストリングの4つ

✔︎筋肉が固くなりやすい人は、ストレッチをこまめに行う必要がある

いかがでしたか?

最初は「筋トレをしたら姿勢が崩れる」というのは、少々意外に思ったかもしれませんが、原理を理解すると納得できたと思います。

もしすでに筋トレが習慣になってしまって、もう辞める事ができないという方は、筋トレ後のアフターケアにも重点を置くようにしましょう。筋肉が柔らかくなれば、姿勢に悪影響は起きにくくなります。

今回のことを参考にしながら、上手に筋トレを行なってみてくださいね。

それよりも猫背姿勢の改善が優先だ!という方は、一度姿勢矯正の専門家に相談してみましょう。意外な解決方法が見つかるかもしれません。

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