腰痛

腰椎椎間板ヘルニアとは?症状、原因、治療法について

今回は腰椎椎間板ヘルニアと診断されたで、現在も腰痛や神経痛をお持ちの方についてかなり有益な内容になります。椎間板ヘルニアは、早期の治癒の難しさや再発のリスクがあり、治療の選択が難しい症状の一つであります。

腰椎椎間板ヘルニアとは、腰の椎間板が突出して神経を圧迫することによって引き起こされる病気です。この病気は、特に30代から50代の働き盛りの世代に多く見られ、腰痛や足の痛み、しびれなどの症状を引き起こします。このブログでは、腰椎椎間板ヘルニアの基本的な情報から、その原因、主な症状、そして効果的な治療法について詳しく解説していきます。

椎間板とは?

椎間板

椎間板とは、上下の腰椎の間に挟まる、弾力性のある組織のことです。この椎間板はとても大切で、それぞれの腰椎の間にあることでジャンプや走ったりするときの衝撃を吸収し、また屈曲や伸展など体幹の運動がスムーズにできるようになります。

もしこの椎間板がなければ、背骨は骨どうしの接続になり、滑らかでスムーズな動きはできませんし、地面からの突き上げや上半身の体重を逃すことができなくなるため、非常に重要な組織です。

椎間板の繊維輪

そして、繊維質の素材の真ん中には、髄核というゼリー状の組織があります。

車のタイヤに例えると、タイヤの中の空気になります。もしタイヤに空気が入ってなかったら、路面の衝撃を吸収する事はできませんし、路面との摩擦が大きくなってしまいスムーズに転がりにくくなります。

それと同じように椎間板の中に髄核が入っている事で、さらに衝撃吸収の役割を果たしてくれ、体の動きが滑らかに行えるようになっているのです。

 

腰椎椎間板ヘルニアとは何?

ヘルニアの様子

椎間板ヘルニアの「ヘルニア」とは”突出”を意味しており、椎間板が損傷して、中の髄核が飛び出した状態のことを言います。しかし、ただ飛び出しているだけでは無症状です。

上の右の図のように、髄核が後ろに突出し、すぐ近くの神経に触れたり圧迫したりすることによって、腰痛や神経痛の症状が現れます。

 

腰椎椎間板ヘルニアの症状

腰椎椎間板ヘルニアの症状は主に腰痛、そして脚にわたって症状が広がる”坐骨神経痛”を発症します。詳しい症状としては、

・腰部の痛み、痺れ
・お尻の痛み、痺れ、感覚異常
・太もも、ふくらはぎへの放散痛、痺れ、感覚異常、筋力低下
・脚の筋力低下、麻痺
・排尿排便障害
・歩行障害

などがあり、軽度の圧迫から重度の圧迫によって症状も大きく変わってきます。

 

椎間板ヘルニアが起こる原因

先ほどもお話したように、腰椎椎間板ヘルニアとは椎間板が突出して後の神経と接触・圧迫を起こして症状を出すというものですが、これには大きく2つの原因があります。

椎間板の老化・劣化

一つは椎間板自体がとても弱い組織であるという事です。椎間板というのは組織の中でも特に劣化が激しく、10代後半をピークに20代から老化の一途を辿ると言われています。

髄核の水分が無くなったり、椎間板を形作る繊維輪に亀裂が入ったりします。椎間板がもろくなると、ヘルニアを起こしやすくなるわけです。

椎間板に負担が集中する

2つ目に腰椎には、大きい負荷がかかりやすいという問題があります。物を持ち上げる、前屈みになる際、上半身を支える部分が腰椎であり、テコの原理の支点部分なるために負荷がかかる場所になります。

またスポーツでの反復動作や、重量物を何度も持ち上げるような作業では、腰椎には繰り返し大きな負荷がかかっています。もちろんそこにある椎間板も力を受ける訳です。前述したように椎間板はもともと劣化が早い組織のために、負荷に対してはとても弱くダメージも深刻になります。

腰椎の配列異常

腰椎は生理的弯曲と言って、軽く前方にカーブしているのが正常です。これは腰椎にかかる負荷を逃す役割があります。しかし椎間板ヘルニアを起こしやすい人にはこの生理的弯曲がなくなってしまっていることが多いのです。

つまり、棒のようにまっすぐになってしまっていたり、逆に後方にカーブしてしまっているケースもあります。この原因は、生活習慣による姿勢悪化によるものが多く、長時間座り姿勢を続けている方や、スマホの見過ぎによって背骨の弯曲が変化します。

こういう人は、腰椎の正常な弯曲をお持ちの方に比べて、椎間板には2倍近くの負荷がかかってしまいます。

 

腰椎椎間板ヘルニアの診断と治療方法

椎間板ヘルニアのMRI画像

腰椎椎間板ヘルニアの確定診断は、主にMRIの画像診断によって行われます。腰椎の前後の縦割り画像によって椎間板の断面が観察でき、突出しているか否かが、容易に判断できます。

また確実性を高めるために、神経学的検査も用います。腰椎椎間板ヘルニアが神経を圧迫している場合、下肢の筋力低下、皮膚感覚の異常、筋力低下、脊髄反射の減弱が見られます。

神経学的検査は、実際に患者に痛みの再現や、感覚の有無を評価してもらう検査で、仰向きに寝たまま下肢を挙上させて腰痛や神経痛の有無を見たり、下肢や足部の筋力検査、筆や打鍵器を使って、脊髄反射や感覚異常の有無について評価します。

 

腰椎椎間板ヘルニアを早く治す方法

腰椎椎間板ヘルニアを早く治す方法は、ズバリ外科手術になります。椎間板ヘルニアによって今まさに神経圧迫部分に炎症が起きている場合、穿刺によって椎間板内部を減圧してヘルニアを引っ込める方法や、椎間板を直接修復する方法などがあり、うまくいけば早期に回復することがあります。詳しくは腰椎専門の整形外科にご相談される事をお勧めします。

MRIで椎間板ヘルニアが認められたが、腰部に炎症が起きていない場合や、神経学的検査で腱反射の減弱、筋力低下、皮膚感覚の異常が認められない場合は、外科手術は必要でないと考えます。

実は腰椎椎間板ヘルニアの中には、神経圧迫のないものや、炎症を起こさないものもあります。その場合、今感じている症状(腰痛や神経痛のような症状)の原因は、別の場所にあることが考えられます。

 

MRIでヘルニアが見つかっても神経学的検査で異常がない場合の治療法

MRIでヘルニアが見つかったにも関わらず、神経学的検査で異常がない場合は、腰椎椎間板ヘルニアが直接の原因ではないことが考えられます。その際のおすすめの治療法はカイロプラクティックになります。

椎間板ヘルニアに似た症状を出すものには、様々ありますが、代表的なものは「梨状筋症候群」と「腰椎の椎間孔の狭小」があります。

梨状筋症候群というのは、お尻の部分にある梨状筋という筋肉が硬くなることで、すぐそばにある坐骨神経に圧力がかかって、神経痛を起こすものです。

また、椎間孔の狭小というのは、上下の腰椎によって作られる椎間孔(背骨にある神経の出口)が腰椎のズレによって、狭くなり神経を圧迫する現象です。

これらは椎間板ヘルニアによる症状ではないため、例えヘルニアを取り除いても症状は回復しません。この場合は、腰椎、並びに骨盤の調整によって症状の回復が期待できます。

 

Uenishi整体院で行なっている椎間板ヘルニア患者の治療方法

ここから椎間板ヘルニアと診断された患者様を、当院ではどのようにして診ているのか、実際の流れをお話しします。

神経学的検査によって腰椎椎間板ヘルニアとの関連性を調べる

整体をしている様子

当院では椎間板ヘルニアの患者様が来院された場合は必ず、神経学的検査を行います。

椎間板ヘルニアでの神経圧迫で必ず出る、脊髄反射の減弱、皮膚感覚異常、筋力低下に対して検査をし、病変部位との関連性があるかどうかを判断します。

こうすることで、おおよその情報が掴めるようになり、正しい治療方針が決まります。仮にこの段階で椎間板の炎症が疑われる場合は、施術を中断し、病院への診断を促します。

腰椎や骨盤のズレを検査で確認し、それを取り除く

うつ伏せの女性

当院ではカイロプラクティックの技術を採用しています。

カイロプラクティックとは、主に背骨のズレによって起こる関節の機能異常(フィクセーション)を見つけて、それを正常に戻すテクニックです。フィクセーションを取り除くと、腰椎は正常に動き出し、正しい位置に戻ろうとします。

骨盤のズレも同様に取り除きます。骨盤は上下、左右、回転、ねじれなど複雑な歪みを起こしやすい部位です。歪みによる坐骨神経の圧迫がないか細かく検査し、調整していきます。

 

まとめ

今回は腰椎椎間板ヘルニアについてその症状と原因、治療方法について詳しく解説してきました。

有効な治療法としては、外科手術と整体施術とがありますが、大事なのは治療に入るまでの検査段階にあります。そこで椎間板ヘルニアが症状の出どころなのか、それとも別の何かなのかを見極める必要があります。

それができれば、正しい治療法を選択でき、腰椎椎間板ヘルニアを早く治すことができるでしょう。

ぜひ今回の記事を参考に、腰椎椎間板ヘルニアの早期治癒に役立ててください。

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