”背中が丸まっているのに腰は反っている”
”座ると猫背だが、立つと反り腰になる”
このような反り腰と猫背の両方を持ち合わせている姿勢の事を、私は文字をくっ付けて「反り腰猫背」と呼んでいる。
そんな姿勢でお悩みのあなたに、これらふたつを同時に解決してしまう方法をお話ししよう。
実は反り腰猫背は、正しい治し方というのが存在して、意識だけで綺麗な姿勢を作るのはまず無理である。
そこで、「反り腰猫背の治し方」という姿勢の説明書をあなたにお渡ししたい。
大事なポイントさえしっかり理解して、ここで私が紹介する通り順を追ってエクササイズをすれば、1日たった3分行うだけでこの難解な問題を解決できる!
実はこの方法は、私が実際に整体で猫背や反り腰に対して行っている治療法を、一般向けに改良したもの。
そして、誰でも自宅でそして一人で行え、そしてとても楽にできるものなので続けやすく効果も高くなるように考えてある。
では、反り腰猫背の治し方と、それが起こる原因について詳しくお話していこう。
さあ、準備はいいかな?
目次
反り腰、猫背が起こるたったひとつの原因
背骨というのは首からお尻まで、合計26個の骨が連なってできている。
この様に、26個のブロック状の骨が、積み重なってできているので、人によって背骨のカーブが微妙に違うのはそのためだ。
そして反り腰猫背の人は、通常の人よりも背骨のカーブが強い。
そうなると反り腰猫背の見た目は「お尻が突き出しているが、同時に背中も出っ張っている」様に見える。
この原因はどこにあるのか?
上の写真にある赤紫色の骨に注目して欲しい。
背中と腰のちょうど間あたりの骨が、後ろ(背中側)へずれてしまっているのが分かる。
背骨のズレによって、背骨の傾斜は強くなり、背中のカーブがきつくなっている事がわかると思う。
これが1箇所で起こってしまうと、背骨全体としてのバランスのため、腰も反るようになるのである。
「反り腰猫背」の完成である。
このように猫背と反り腰の原因は、ひとつの背骨のズレによって始まっているということを、よく理解して欲しい。
筋トレでは反り腰猫背の効果が乏しい理由
「反り腰の人は腹筋が弱い!だから筋トレをして腹筋を鍛えると良い!」
「背筋を鍛えると背骨がまっすぐになって猫背が解消される!」
そのように聞いたことはないだろうか?
猫背を治すために、自ら実行するその姿勢はとても素晴らしい。
しかし、私は反り腰猫背を治すために筋トレを推奨しない。
前述の様に、反り腰猫背の最大の原因は背骨のズレによって起こっている。
ということは、背骨のズレを戻す対策が必要になるのである。
筋トレで解決しようとする行為は、それとは違う。
筋トレをする事で、逆に背中や腰の弯曲を強くしてしまう可能性があるのだ。
よって無理に行えば、余計に猫背や反り腰を強くしてしまいかねない。
猫背反り腰の治し方は「背骨のズレ」を戻すこと
人間の姿勢を決めている一番大きな要素は骨の位置であり、姿勢が悪い人は例外なく背骨にズレがある。
これを無視してはいけない!
よって悪い姿勢の典型である猫背、反り腰の唯一の治し方は”ズレた背骨を元の位置に戻す事”
これこそが一番効率的で効果が得られる方法になる。
しかしそんな専門家にしかでき無さそうなことが素人にできるのか?
大丈夫だ。心配いらない!
冒頭にもお伝えしたが、これからご紹介するエクササイズは私が整体院で実際に行っている方法を一般向けにアレンジしたもので、やり方さえマスターすれば誰にでもできる方法にしている。
では具体的な方法をご紹介していこう。
1日たった3分!お家でできる猫背、反り腰改善エクササイズをご紹介
まずエクササイズの前に用意してもらいたいものがある。
大判のバスタオルだ。
大きいのがなければ、中位のを2枚重ねてこれをグルグルと巻いてみよう。
直径10センチから15センチほどの太さになるようにするのがコツ。
そして形が崩れないようにテープで止める。
太さはこんな感じになっただろうか?
それができたら周りの物を片付けて、畳一状分のスペースを確保しよう。
これで準備はオッケー!
では早速エクササイズに入っていこう。
ステップ1:背中と床の間にバスタオルを挟んで仰向けに寝る
まず仰向けに寝るのだが、このように腰と背中の間の部分にバスタオルを挟み込む。
バスタオルの位置は肩甲骨の下あたりにセット。
そうして両膝を90度になるように曲げよう。
これがエクササイズする前の正しい姿勢だ。
【正しい姿勢の取り方のコツ】
✔︎胸が上に持ち上げられるような姿勢になっているか?
✔︎背中と腰の間部分にしっかりタオルが当たってるか?
✔︎足は肩幅間隔に広げて、膝は90度に曲がっているか?
ステップ2:ゆっくりとお腹に空気を入れる
次は腹式呼吸を行っていく。
腹式呼吸はお腹を使って深く息を吸う呼吸法だ。
普段行っている呼吸法は、胸を膨らませる胸式呼吸だが、このエクササイズは胸は膨らまさずお腹だけを使う。
こうする事によって骨盤を立たせながら、重力の力によってずれた背骨を元に戻す事ができる。
では実際に腹式呼吸をやってみよう。
①まずは下腹に両手を当てる。
②そしてゆっくり息を吸う。
③そのとき息を吸うと同時にお腹を膨らませていく。
胸は膨らませずに、お腹だけを膨らませよう。
吸った空気が全部お腹に入っていくイメージを頭に描いてみると良いだろう。
【エクササイズのチェックポイント】
✔︎下腹に両手を重ねて乗せているか?
✔︎息を吸うとき肋骨が動いていないか?
✔︎お腹だけがしっかりと膨らんでいるか?
腹式呼吸が正しくできているかは乗せた手で確認しよう!
ステップ3:息をゆっくりと吐いていく
両手をお腹に乗せたまま、今度はゆっくりと息を吐いていこう。
そのときに膨らましたお腹をゆっくりとへこませていく。
腹筋にしっかりと力が入るのを意識しよう。
動きのイメージはおへそを背骨にくっつける、または腰を床に押し付けるようにすると良い。
すると骨盤が後傾していく(背中側に倒れていく)のが感じられる。
お腹に残った空気を全部出し切るまで頑張って息を吐き続けよう。
【エクササイズのチェックポイント】
✔︎時間をかけて吸った息を全部吐き切っているか?
✔︎お腹はしっかりとへこんでいるか?
✔︎もしお腹がへこみにくいと感じるなら、両手で軽くお腹を押さえて動きを誘導してあげよう!
下の図のような動きを意識しよう。
腹式呼吸に慣れない場合、最初は難しいかもしれないが、回数を重ねるごとにお腹の動きが分かるようになり、腹式呼吸に慣れてくるとどんどんうまくできるようになる。
これを10回行う。通常であれば3分あれば十分だ。
これを毎朝、または寝る前に行って欲しい。
もしどうしても腹式呼吸がうまくいかない場合は、この動画を参考にしてみてまずは腹式呼吸をマスターして欲しい。
腹式呼吸のやり方を詳しく解説しているのでエクササイズの参考になるのでおすすめだ。
最初にエクササイズ用のバスタオルを作っておけば、あとは横になって深呼吸をするだけの簡単な内容になっている。
しかも、毎日たった3分から5分を続けて行うだけで良いのだ。
1ヶ月もすれば、反り腰猫背がましになっているのに気付くだろう。
もし効果が少ないと感じる場合は、少しやり方を変えるのがコツだ。
少しの工夫を加えるだけで、さらに効果が出やすくなるのでそのコツを解説する。
【効果が出やくするためのコツ】
✔︎バスタオルの直径は、猫背の度合いが強いと細めに(10センチ)、軽い場合は太めにする(15センチ)。細かい調節はエクササイズのしやすさで決めるのが良い。
✔︎エクササイズを初めて日数が経ち、背中の圧迫に物足りなさを感じてきたら、バスタオルの太さを太くするのが良い。
✔︎腰と背中の間でバスタオルを当てる位置を変えて何度か行う。タオルを半個分ずつずらして2〜3カ所行うとより効果が高い。
まとめ
この方法で正しく根気よくエクササイズを行えば、早くて2週間、長くて1ヶ月で何かしらの効果を感じるはずだ。
最後に猫背と反り腰が起こるメカニズムと解決法をおさらいしていきましょう。
✔︎ 猫背反り腰は「姿勢のズレ」によって起こっている
✔︎ 筋トレだけでは猫背、反り腰の根本改善はできない
✔︎ 反り腰猫背は、1日たった3分の自宅エクササイズでも改善することができる
今回紹介したエクササイズは、タオルによるテコの原理と重力の力で背骨のズレを矯正し、腹式呼吸で骨盤を後傾にする事によって猫背と反り腰を同時に改善できる、今までにない画期的な方法だ。
最初は面倒だと思うかもしれませんが、今日ご紹介したエクササイズを1日3分、真面目に取り組んでみて欲しい。
そうすれば、あなたが長年悩んでいた猫背と反り腰は驚くほど改善し、家族や知人からの視線や掛けられる言葉も変わる事だろう。
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