日本人が悩む関節痛の中で最も多い症状のひとつである腰痛。
その中で過去に病院で腰椎椎間板ヘルニアと診断されたことのある方も多いだろう。
この疾患は若い学生からお年寄りまで幅広い年齢層に起こり、最初は腰痛だけだったのが突如足のしびれや痛みが広がっていき、次第に仕事や部活、家事に大きな悪影響を起こしてしまう。
年々症状が深刻になると将来に大きな不安を抱えている人も少なくない。
そこで、当院で実際に起きたひとつのケースをお話ししよう。
過去に腰椎椎間板ヘルニアと診断されたある男性が当整体院に来院された。
先に結論だけをお話しすると、この患者が訴えていた足のしびれは椎間板ヘルニアとは直接関係がなかったという事である。別の部分に足のしびれの原因が隠れていた。
もしあなたが今同じような症状を患っているなら多いに参考になる内容だと思う。
ぜひ最後まで目を通してほしい。
患者
50代男性会社員 仕事内容は営業とデスクワーク、趣味は月2回のゴルフ
問診
①3年前に病院で腰椎椎間板ヘルニアと診断を受け、現在腰痛と右足のしびれに悩まされ当整体院に来院。
②その当時、病院ではこれといった治療はしておらず、これまでも治療はしてこなかったと言う。
③腰椎椎間板ヘルニアの診断当初は腰痛のみで足のしびれはなく、3ヶ月ほど前から徐々にしびれの症状を感じ始めてきたとのこと。
④足のしびれの場所は右太ももからふくらはぎの範囲で足の後ろ側に感じている。
⑤立っていても座っていても常に腰には不安感がある。
所見
①患者に立位になってもらい下半身の様子を見たときに、異常なほどの硬直感があった。
②実際に触ってみると下半身の筋肉が全体的に固くなっている。
③本人は元々体は硬い方だと自覚しているが、それにしても尋常ではない下半身の筋肉の固さだ。
④腰の前屈後屈動作をしてもらったが、動きが滑らかではなく何処か動作がぎこちない。
検査
①骨盤に大きなねじれのゆがみを起こしており、それによって中心の仙骨にも歪みが発生していた。
②左右足の長さに約2センチほど差があり、右の膝関節にねじれが発生していて下半身のバランスを大きく崩していた。
施術
①股関節の左右の位置が非対称であったため矯正。
②そして骨盤のねじれ、仙骨の歪みを取り除き骨盤の歪みが矯正されたことを確認した。
すると、先ほどガチガチだった下半身の筋肉の固さがスッと柔らかくなった。
もちろんこの時、両下肢の長さの差も無くなっている。
施術後に患者に立ってもらって足のしびれの確認をしてもらったところ、しびれは感じなくなっていた。
原因
今回の患者には腰椎椎間板ヘルニアの既往歴があったが、足のしびれの原因は椎間板ヘルニアの影響ではなかったと思われる。
今回の症状の原因は骨盤の歪みによって下半身が安定感を無くしたことで下肢の筋緊張が強くなり、その固くなった筋肉の一部が神経を圧迫したことで起こった可能性が高い。
経過
その後施術を1週間に一回ペースで3回続けた結果、歪みはなくなり足のしびれの再発はなく、治療を終了した。
まとめ
このケースでは患者本人が椎間板ヘルニアとの関連性を強く信じていたが、腰痛と足のしびれの症状が同時期である場合、椎間板ヘルニアによる足のしびれと勘違いしてしまったり、病院で医師から「足のしびれは椎間板ヘルニアによるものだ」と伝えられていることで、そう思い込んでしまっている人が多くいる。
しかしこのように腰椎椎間板ヘルニアが足のしびれとの直接的な因果関係がないケースというのがある。
椎間板ヘルニアとしびれとの関連性があるかないかについては、動作確認や歪み検査などを詳しく行えば大抵はわかるので、まずは原因がどこから来ているのかを精査するところから初める必要がある。
そうすれば数年単位で抱えていた症状も意外と数回の施術で取れてしまったりすることもあるので、似たような症状をお持ちの場合はぜひ当整体院に相談してほしい。
コメント