腰痛

腰を反ると痛い腰痛。その原因と対処法について

日常生活の中で、「腰を反ると痛い」と感じる瞬間はありませんか?

例えば、洗濯物を干そうとして背伸びをしたときや、キッチンで高い棚の物を取ろうとしたとき、さらには子どもを抱き上げるとき、長く座っていた状態から立ち上がる時など、ふと腰を反った瞬間に痛みが走ることがあります。

このような痛みは、生活の質を大きく損なうだけでなく、日常のちょっとした動作すら億劫に感じさせてしまいます。

この「腰を反ると痛い」という症状の原因の多くは、「腰椎椎間孔(ついかんこう)の狭小(きょうしょう)」によって起きています。狭小とは狭くなるという意味で、椎間孔についてはのちほど詳しく説明します。

腰椎にこの椎間孔の狭小があるのにも関わらず、間違った施術やセルフケアを行なったりすると、腰痛が悪化したり、慢性化して治りにくくなります。

そこで今回は、腰を反ると痛い原因とその対処法について解説していきます。

”腰を反ると痛い”腰痛の原因。「椎間孔の狭小」とは?

椎間孔狭小

椎間孔とは、脊椎の骨の間にある神経が出てくる穴のことで、脊髄神経(腰やお尻、足に向かう神経の始まり)の通り道になります。この椎間孔が何らかの原因で狭くなると、腰を反る動作で椎間孔がさらに狭くなり、神経が圧迫されて痛みを引き起こします。

椎間孔の狭小を理解するために、高速道路のトンネルを使って例えてみましょう。

想像してみてください。高速道路にあるトンネルを車が通過する様子を。通常、トンネルは車がスムーズに通過できるように設計されています。しかし、トンネルの中で何らかの障害物が発生し、通路が狭くなるとどうでしょう?車は渋滞し、通過するのに時間がかかります。同様に、椎間孔が狭くなると神経が圧迫され、痛みが生じます。

 

なぜ椎間孔が狭くなるのか?

腰椎の病変

椎間孔は神経の通る穴と説明しましたが、上下の腰椎の重なりによって一つの穴となる、大変珍しい構造になっています。したがって、上下の腰椎の位置関係によって広くなったり、狭くなったりするのです。この点を押さえた上で椎間孔の狭小は、以下のような原因があります。

姿勢の悪さ

長時間同じ姿勢でいることや、姿勢の悪さが腰椎のきれいな整列を乱してしまい、上下の腰椎間でズレやねじれを起こしてしまいます。これが椎間孔の狭小を引き起こす原因となります。特にデスクワークが多い人、猫背の人は注意が必要です。

腰椎の変形

腰椎に負担がかかり続けると、やがて腰椎に変形が起き始めます。腰椎は変形が起きると、骨の棘のような物ができやすくなり、その棘が椎間孔の形を変えて狭くしてしまいます。

椎間板の劣化

椎間板の水分量は、20代の時がピークでそこから下降線を辿ります。水分量が減ると、椎間板はへたった座布団のようになり、厚みが減ります。すると腰椎間の隙間が狭くなり、それに伴って椎間孔も狭くなってしまいます。

 

これらの要素が一つでも体にあると、椎間孔は狭くなっていると考えていいでしょう。この状態で腰を反らせると、椎間孔はさらに狭くなって神経に当たって痛みが出るという流れになります。

 

腰の痛みを軽減するための対処法

ベランダでヨガをする女性

では、腰を反ると痛いという症状を軽減するためにはどうすればよいのでしょうか?状態によっては自分で行えるもの、専門家に任せる方が良いものがありますので、以下のことを参考にしてみてください。

姿勢を改善する

日常生活での姿勢を見直し、正しい姿勢を保つことが重要です。立ち姿勢の際は腰が反りすぎないように骨盤の位置に注意しましょう。特にデスクワークの際には、椅子の高さや机の位置を調整し、腰に負担をかけないようにしましょう。

適度な運動をする

運動不足を解消するために、ウォーキングや軽いジョギングなどで腰やお尻周りの筋肉を動かしてあげましょう。運動後にはストレッチを欠かさず、特に股関節や臀部の筋肉は入念にストレッチを行うことをお勧めします。また呼吸を使ったコアマッスルを鍛える運動は、腰痛の予防に効果的です。

専門医の診察を受ける

腰の痛みが続く場合や、痛みがひどい場合は、早めに専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。まずは医師によるレントゲンやMRIなどの画像診断で、診断をしてもらいましょう。適切な診断で、痛みの原因を特定できます。

 

もし、病院でも異常が見つからない場合は?

整体に通う女性

もし病院で画像診断上、目立った異常が見つからない場合は、整体院での施術を受けてみましょう。腰を反ると痛い腰痛のほとんどのケースでは、姿勢の悪化による腰椎のズレが見つかります。

腰椎の矯正により、椎間孔の狭小が改善し、神経の圧迫を減らすことができます。不安な場合は、腰痛の発症時期、痛みが出る時の姿勢など、骨格矯正専門の整体師にくわしく相談することがおすすめです。

放っておくと、腰に負荷がかかり続けて、腰椎の変形やヘルニアが進む事になったりと、後に厄介な症状に陥ってしまい、治すことが困難になってしまうので、早めに対処しましょう。

 

まとめ

腰を反ると痛いという症状は、多くの人が日常生活の中で感じることがあるものです。その原因の一つである椎間孔の狭小は、姿勢の悪さによる腰椎のズレや、運動不足による骨盤周囲の筋肉の硬化などが引き金となります。

予防するには正しい姿勢を保ち、適度な運動やストレッチをこまめに続ける事で、腰の痛みを軽減することができます。また、痛みが続く場合は、早めに専門医の診察を受けることが重要です。日々の生活をより快適に過ごすために、腰の健康を保つことを心掛けましょう。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。