こんにちは。大阪本町吹田江坂Uenishi整体院です。
「腰が痛くて寝返りを打つたびにつらい」「痛い方を下にしたほうが楽かも…?」
腰痛を抱えていると、寝るときの姿勢に悩む方は非常に多いです。しかし、実は“寝方”ひとつで、翌朝の痛みが大きく変わります。
間違った姿勢で寝てしまうと、筋肉や神経を圧迫して痛みを悪化させることも。
本記事では、腰痛のときに「痛い方を下」にして寝ても良いのか?を中心に、整体師の視点から「避けるべき姿勢」「腰が楽になる寝方」をわかりやすく解説します。
目次
腰痛のとき“痛い方を下”にして寝るとどうなる?
腰痛のとき、「痛い方を下」にして寝ると楽に感じることもあれば、逆に痛みが強くなることもあります。その違いは、腰痛の種類や姿勢の特徴、そして体への負担のかかり方によって変わります。
ここでは、「痛みが悪化する場合」と「痛みが緩和する場合」に分けて詳しく見ていきましょう。
1. 痛みが悪化する場合
■ 神経を圧迫する時(椎間板ヘルニア、背骨の歪みによるもの)
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、神経の圧迫が原因の腰痛では、「痛い方を下」にすると症状が悪化しやすい傾向があります。
痛みのある側を下にして寝ると、神経の出口部分が物理的に狭くなり、圧迫が強まってしびれや痛みが増すことがあります。特にお尻や脚まで痛みが広がる「坐骨神経痛タイプ」の腰痛では、この影響が顕著です。
そのため、こうした神経性の腰痛の場合は、痛い側を上にして軽く丸まる「胎児姿勢」の方が神経の圧迫を和らげやすくなります。
■ 物理的な圧迫による痛み(ぎっくり腰などの急性腰痛)
ぎっくり腰のような急性腰痛では、腰の筋肉や靭帯が炎症を起こしています。この状態で「痛い方を下」にすると、患部に体重がかかり、炎症部位が圧迫されて痛みが強まる場合があります。
ただし、発症直後はどの姿勢をとっても痛いことが多く、あえて「痛い方を下」にして動かない姿勢を保つ方が楽というケースもあります。これは、体を動かすと激痛が走るため、筋肉が動かない位置で痛みを“固定”している状態です。
もし発症から数日経っても痛みが続く場合は、炎症が長引いている可能性があるため、無理に同じ姿勢で寝続けず、早めの施術が必要です。
■ 筋肉が伸ばされる時の伸長痛(筋筋膜性腰痛)
デスクワークや立ち仕事などで腰の筋肉が硬くなっていると、寝る姿勢によって筋肉が引き伸ばされることがあります。これを「伸長痛(しんちょうつう)」と呼び、筋肉や筋膜が引っ張られて痛むタイプの腰痛です。
例えば、枕が高かったり、ベッドに傾斜がついている場合は、痛みのある側を下にして寝ると、腰椎が側屈(腰が真横にカーブすること)して、下にした方の筋肉が引き伸ばされ、伸長痛が出ることがあります。
このような場合では、寝姿勢によって筋肉が伸ばされる姿勢を避けます。例えば枕の高さを下げたり、寝る向きを変えるなど、痛みに応じて寝方を変えることが大切です。
2. 痛みが緩和する場合
■ 姿勢によって筋肉が緩む
一方で、「痛い方を下」にして寝ることで筋肉の緊張がゆるむケースもあります。これは、筋肉の張りが強い側を下にする事で、肋骨と骨盤の距離が縮まり、自然と力が抜ける反応が起こるためです。
過緊張を起こしていた筋肉が落ち着き、血流が改善されることで痛みがやわらぐ場合があります。この反応が起きるのは、慢性腰痛や筋肉の硬直が主な原因となっているときに多く見られます。
■ 神経の圧迫が緩和
腰痛の原因によっては、「痛い方を下」にすることで神経の圧迫が逆にゆるむこともあります。
たとえば、骨盤の歪みで神経が引っ張られているタイプでは、体を少し傾けて痛い側を下にすると、引っ張りの方向が変わり神経が楽になる場合があります。
このときは「痛みがスーッと引く」「じんわり温かくなる」などの体感が得られますが、これは一時的な緩和です。根本的な改善のためには、骨盤や背骨の歪みそのものを整える必要があります。
■ マットレスに密着することで骨盤が安定
マットレスの硬さや形状によっては、「痛い方を下」にすることで骨盤が安定し、腰への負担が軽くなることもあります。特に硬めのマットレスでは、痛みのある側が沈み込みすぎず、骨盤全体を面で支えるような形になります。
この状態になると、筋肉がリラックスして体の重心が安定し、痛みが和らぐことがあります。ただし、柔らかすぎる寝具では逆効果になるため、自分の体格に合ったマットレス選びが重要です。
腰痛を悪化させる寝方と姿勢

寝姿勢で腰痛を悪化させる最大の原因は、腰椎の湾曲に合った寝方をしていないことにあります。
■ 反り腰で悪化する寝姿勢
例えば、反り腰の人がさらに反り腰になるような寝方をすると、神経の出口が圧迫されやすく、筋肉は余計に緊張してしまい、朝方に痛みを起こしやすくなります。この典型的なケースは、硬めのマットで「仰向け寝」する事です。
■ 反り腰で悪化する寝姿勢
また猫背(骨盤後傾または腰椎後弯)の人がさらに猫背になるような寝方をする場合は、硬い筋肉をさらに伸ばす事になるために起こる伸長型の腰痛です。この場合の典型は、横になって丸まる「胎児姿勢」と言われる寝方で寝る事です。
このように、一般的にこの寝方が良いとされている場合でも、腰痛のタイプや姿勢のタイプによって逆に悪化させてしまう場合があるので注意が必要です。
【姿勢タイプ別】腰痛が楽になる寝方
全ての人に当てはまるわけではありませんが、それぞれの姿勢パターンに合った寝方がありますので、紹介しておきます。
① 反り腰タイプにおすすめの寝方
・うつ伏せ寝でお腹にタオルかクッションを敷く
→腰椎の前弯が和らぎ、反り腰を緩和して寝やすくなります。
・痛い方を上(または下)にして横向きになり、同じ側の足を曲げる
→足を曲げることで骨盤が後傾し、反り腰が緩和します。
② 猫背(骨盤後傾)タイプにおすすめの寝方
・仰向けで腰にタオル、膝下にタオルまたはクッションを敷く
→タオルが腰を支えてくれ、腰椎の沈み込みを緩和して楽に寝ることができます。
・痛い方を上(または下)にして横向きになり、両膝を軽く曲げる
→骨盤後傾が緩和され、腰椎が自然なカーブに近づきます。
注意:股関節を曲げすぎないことがポイント。曲げすぎると逆に骨盤の後傾が強調されます!
【補足】寝方だけでなく“寝具選び”も重要!
良い寝方を心がけても、寝具が体に合っていないと腰の負担は減りません。マットレスの硬さ・枕の高さ・睡眠サポートグッズの活用など、必要であれば寝具周りの工夫もしてみましょう。
別のブログで、「寝過ぎて腰が痛くなる原因」について書いています。「寝る前にすると良いストレッチ」についても詳しく紹介していますので、よければこちらも参考にしてみてください。
最適な寝姿勢は、姿勢や腰痛タイプで決まる!
いかがでしたか?
腰痛のとき、「痛い方を下」にして寝るかどうかは、姿勢や腰痛のタイプによって変わります。あなたの姿勢のタイプや腰痛のタイプ(神経由来の腰痛、ぎっくり腰などの急性腰痛、筋膜性の腰痛など)によってそれぞれに合った寝姿勢があります。
よくわからない場合は、いろんな寝姿勢を試してみましょう。紹介した寝方の中に、ぴったりなものが見つかるはずです。それでも痛みが強いときや、痛みが治らない時は、Uenishi整体院がお役に立てます。
腰の痛みを根本から整える施術と、自宅でできる寝方・姿勢指導を行っています。「朝起きると腰が痛い」「寝ても腰の重さが取れない」という方は、一度当院までご相談ください。



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