突然の左脇腹の痛み、あるいはチクチク・ズキズキとした不快な違和感を感じていて、不安になっていませんか?
「もしかして大きな病気では?」と心配になり、ネットで検索して当ブログにたどり着いたかもしれません。
この記事では、左脇腹の痛みの原因を、特に心配な臓器由来の問題から、整体・セルフケアで対応できる問題まで、専門家の視点から詳しく解説します。
そして、今から自宅でできる、左脇腹の痛みに効果的な運動・ストレッチ法を具体的にご紹介します。
目次
その左脇腹の痛みは危険?病院に行くべきサインと臓器の関連性
まず、ご自身の左脇腹の痛みが緊急性の高いものではないかを確認することは非常に重要です。
左脇腹には、胃、膵臓、脾臓、大腸(S状結腸)、左側の腎臓などの重要な臓器が存在しています。これらの臓器のトラブルが原因である場合、速やかに医療機関を受診する必要があります。
以下の症状が左脇腹の痛みと併発している場合は、迷わず内科や消化器内科を受診してください。
〜症状のタイプと考えられる内臓関連の可能性〜
・激しい痛み:突然、我慢できないほどの激痛が起こる
・発熱・嘔吐:痛みと共に高熱や吐き気が続く
・血尿・血便:排泄物に異常が見られる
・持続的な痛み:安静にしても痛みが全く引かず、悪化していく
・食欲不振:痛みが続くことで食欲が極端に低下する
・脾臓(ひぞう)の腫れが疑われる場合
激しい腹痛と共に、左肩に放散する痛み(Ker徴候)。外傷後に起こることが多い。
受診するべき科:救急外来、外科
・膵臓(すいぞう) 急性膵炎が疑われる場合
食後に悪化する上腹部の激痛。背中まで突き抜けるような痛みや吐き気を伴う。アルコールや胆石が原因となる。受診するべき科:消化器内科
・腎臓(左) 尿路結石、腎盂腎炎が疑われる場合
突然発症する非常に強いわき腹の痛み(せん痛)。波があり、血尿や高熱を伴うことがある。
受診するべき科:泌尿器科、内科
・大腸(S状結腸、下行結腸) 憩室炎、虚血性腸炎が疑われる場合
比較的下部(下腹部寄り)に起こる持続的な痛み。発熱や下痢、血便を伴うことがある。
受診するべき科:消化器内科
・胃潰瘍、胃炎が疑われる場合
食後や空腹時にみぞおちから左脇腹にかけて痛みが出ることがある。
受診するべき科:消化器内科
一方で、以下のような特徴を持つ左脇腹の痛みは、主に筋肉・骨格系や神経のトラブルが原因である可能性が高く、整体や日々のストレッチで対応できるケースが多くなります。
・特定の姿勢や動作をした時にチクチク、ズキッと痛む。
・体を伸ばしたり、捻ったりすると痛みが強くなる。
・安静にしていると痛みは軽減するが、たまに痛みが再発する。
・デスクワークやストレスが溜まった後に痛みが増す。
・朝起きた時や、急に体を動かした時に痛みを感じる。
整体で改善が見込める「左脇腹の痛み・チクチク」3つの原因
病院での検査で臓器に異常が見つからなかった場合、その左脇腹の痛みは、主に筋肉・骨格系、あるいは自律神経の乱れが原因である可能性が非常に高いです。
1. 姿勢の歪みと肋骨周りの筋肉の過緊張
デスクワークや長時間の同じ姿勢による猫背や体の歪みは、左脇腹周辺の筋肉に大きな負担をかけます。
具体的には、腹斜筋や広背筋などの脇腹を取り囲む筋肉が常に固まり、血行不良を起こすことで、チクチクとした痛みとして感じられます。
筋肉が硬くなると、深呼吸の際に肋骨の動きが制限され、さらに痛みが増すという悪循環に陥ります。特に左脇腹は、利き手やカバンを持つ癖などによって、姿勢の歪みの影響を受けやすい部位です。
2. 肋間神経痛(肋骨周辺の神経圧迫)
肋骨に沿って走る肋間神経が、背骨(胸椎)の歪みや周辺筋肉の過度な緊張によって圧迫されると、「肋間神経痛」を発症することがあります。
この痛みは、深呼吸や咳、くしゃみ、あるいは特定の動作をした時にチクチク、ピリピリとした鋭い痛みとして現れます。
左脇腹の痛みで来院される方の中には、この肋間神経痛が原因であるケースが非常に多く、疲労やストレスが蓄積した時にたまに痛みが再発するのも特徴です。
3. 内臓疲労と自律神経の乱れによる皮膚表面への関連痛
左脇腹の痛みとストレスの関係はとても深く、現代において非常に増加している痛みの原因です。強いストレスや過労が続くと、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが乱れます。
自律神経が乱れると、血流が悪化したり、胃腸などの内臓機能が低下したりします。
この内臓の不調や、交感神経の過剰な働きが、左脇腹の周辺筋肉(特に横隔膜や腹筋群)を無意識に緊張させ、痛みとして現れることがあります。
慢性的なストレスは、痛みの閾値(いきち:痛みを感じる度合い)を下げるため、チクチクとした軽い刺激でも痛みを感じやすくなります。
左脇腹の痛みを自分で改善する効果的なストレッチ法
ここからは、整体師が推奨する、「筋肉の緊張」「姿勢の歪み」「自律神経の乱れ」にアプローチする具体的なストレッチと運動をご紹介します。
これらのストレッチは、血行を促進し、左脇腹の筋肉と神経の緊張を安全に緩めることを目的としています。
1. 体側深呼吸ストレッチ
肋骨周りの固まった筋肉(腹斜筋、肋間筋)を伸ばし、浅くなっている呼吸を改善します。
目的: 肋骨周りの筋肉を緩め、肋間神経の圧迫を解放する。
方法:
- 椅子に浅く座るか、床に座って背筋を軽く伸ばします。
- 左脇腹を伸ばすため、左手を真上から頭の向こう側へ伸ばし、右手は椅子か床につけて体を支えます。
- 息を吸いながら、胸郭(肋骨全体)を横に大きく広げるイメージを持ちます。
- 息を吐きながら、右側へ体をゆっくりと倒し、左脇腹全体が伸びているのを感じます。痛気持ち良いと感じる範囲で止めます。
- その状態で深呼吸を3回繰り返します。伸びている最中に体が前後に倒れたり、捻れたりしないように注意します。
2. 腰方形筋の深い緊張を解放する体幹ひねりストレッチ
腰方形筋は、腰の安定性に深く関わる筋肉で、ここが固まると左脇腹から腰にかけての痛みを引き起こします。このストレッチで深部の緊張を解放します。
目的: 腰方形筋と体幹の深層筋を緩め、腰椎のねじれを調整する。
方法:
- 仰向けに寝て、両腕を肩の高さで真横に広げます。
- 両膝を立て、ゆっくりと両膝をくっつけたまま左側へ倒します。この時、右肩が床から浮かないように意識します。
- 顔は右側(膝と反対側)に向け、左脇腹から腰にかけての伸びを感じます。
- 伸びを感じる位置で深い呼吸を続けながら30秒キープします。
- 左右交互に2セットずつ行います。
ポイント: 左脇腹に痛みを感じる場合は、膝を倒す角度を浅くして行います。
3. 肋骨の引き上げ、体幹の前面伸ばし
姿勢の悪化により、下がってしまった肋骨や横隔膜を引き上げるストレッチです。
目的: 肋間筋と横隔膜の緊張を緩め、副交感神経を優位にし、ストレスを軽減する。
方法:
- 足を揃えてリラックスして立ちます。
- 両手を組み、手のひらを外側に向けて両腕を天井に伸ばします。
- 顔は手先を見るようにします。
- そこからさらに体幹を伸ばし、姿勢をキープします。
- 20秒間姿勢を維持します。
- これを3セット行います。
セルフケアの限界を感じた時は整体院で専門的施術がおすすめ
ご紹介したストレッチは左脇腹の痛みのセルフケアとして非常に有効ですが、左脇腹の痛みが慢性化していたり、頻繁にたまに再発したりするケースでは、セルフケアだけでは限界があります。
なぜなら、痛みの根本原因が、ご自身では戻せない骨格の歪みにある可能性が高いためです。
軽症の場合:腹斜筋や肋間筋の筋スパズム(異常収縮)が原因で、それを取り除くことで比較的すぐに症状が緩和します。
中等度の場合:腹斜筋や肋間筋の筋スパズム(異常収縮)に加え、骨盤・背骨・肋骨に歪みが起きていることが多く、体幹の骨格バランスを整える必要があるため、症状の緩和までには一定期間かかることがあります。
左脇腹の痛みを放置するリスク
「痛みの程度が軽い」、「いずれ治るだろう」と放置していると、徐々に身体は痛みをかばうようになり、姿勢の歪みがさらに悪化します。
その結果、脇腹の痛みは引かず、肩こり、腰痛、頭痛といった二次的な不調に発展するリスクが高まります。専門的な施術によって、痛みの早期改善と再発防止を目指すことが、健康的な生活への近道です。
まとめ:左脇腹の痛みから解放され、快適な毎日へ
左脇腹の痛み、チクチクとした違和感は、臓器の問題でなければ、日々の姿勢やストレスによる身体からの「SOSサイン」であることが多いです。
今日ご紹介したストレッチを継続的に行うことで、筋肉の緊張が緩和し、痛みの改善に繋がるはずです。
もし、ご自宅でのセルフケアを続けても改善が見られない場合や、ご自身の痛みの原因がどこにあるのかを専門的に知りたい場合は、ぜひ一度当整体院にご相談ください。
あなたの痛みを根本から改善し、毎日を健康で快適に過ごせるようサポートいたします。
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