日常生活の中で突然襲ってくる「ぎっくり腰」。その激痛により、立ち上がることも困難になり、多くの人が一度は経験する恐怖の症状です。
この記事では、ぎっくり腰の具体的な説明から原因、対処法、そして適切な治療院の選び方までを詳しく解説します。痛みを少しでも和らげ、早期の回復を目指しましょう。
目次
ぎっくり腰とは?
ぎっくり腰は、医学的には「急性腰痛症」と呼ばれるもので、腰部に急激な痛みが発生する状態を指します。
痛みは短期的な軽いものから、1ヶ月以上続く重いものまで様々です。長期に渡り、腰に張りや鈍痛を感じる「慢性腰痛」とは区別されます。
ぎっくり腰症状の特徴
ぎっくり腰の主な症状は、突然の強い腰痛です。痛みは腰全体に広がることもあれば、左右片側に集中することもあり、動くことが難しくなります。
痛みのために姿勢が歪み、立ったり座ったりするのが困難になることもあります。
きっかけは、寝ている状態から体を起こす動作で一瞬「ピキッ」と痛みを感じる事や、下に置いてある荷物を持ち上げようとして、腰に力を入れた時、鋭い痛みを感じることもあります。
また腰のひねりなど、普通の動きで軽い違和感を感じてから、その後次第に痛みが強くなるケースもあります。
ぎっくり腰の原因
ぎっくり腰の原因はさまざまですが、以下のような要因が関与しています。
1. 過度の負荷
重い物を持ち上げたり、無理な姿勢で作業を行うことで、腰部の筋肉や靭帯に過度の負荷がかかります。
これらの組織に負荷がかかると、やがて筋肉は過緊張を起こし、靭帯は伸張されてしまいます。これがぎっくり腰の一因となります。
2. 姿勢の悪化
日常生活での運動不足や長時間のデスクワークにより、姿勢が悪くなると、急な動きに対して対応しきれず、ぎっくり腰を引き起こすことがあります。
正常な体には、腰椎と骨盤の理想的な位置関係というものがあり、運動不足や不良姿勢によって、それが崩れてしまう事があります。
3. 胃腸の冷え、冷さによる筋肉の緊張
5月から7月にかけて、気温が上昇する時期には、水分摂取量が増えます。又冷たいものを多量に摂取すると、胃腸に負担がかかり、腹筋が効かなくなります。
これがぎっくり腰のリスクを高めます。また、寒い季節も腰から下の下半身全体が冷えてしまい、ぎっくり腰になることが多くなります。
4. ストレス
精神的なストレスも筋肉の緊張を引き起こし、ぎっくり腰の原因となることがあります。これは自律神経の交感神経を過度に刺激することで起きます。
交感神経は血圧を上げるために末梢血管を収縮させるので、血管の血流量は減少します。筋肉にもそれが起こるために、硬くなりやすくぎっくり腰の原因となります。
ぎっくり腰の背景に隠れている問題
多くの場合のぎっくり腰は、筋肉や筋膜の伸張による痛みで起こりますが、中には腰の内部、骨や関節、椎間板、神経に問題があって起きるケースがあります。そ以下にその代表的な病名をいくつか挙げていきます。
1. 椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは腰椎と腰椎の間にある椎間板が損傷して、神経を圧迫して腰痛を起こす病気です。椎間板ヘルニアは、神経痛がメインなので、筋痛や筋膜痛とは区別して考える必要があります。
2. 脊柱管狭窄症
背骨の中には、脊柱管(せきちゅうかん) という脊髄(せきずい)神経の束が収まる管があるのですが、この管が腰椎の部分で狭窄(狭くなること)によって、神経を圧迫する症状です。これも神経痛の種類に分類されます。
3. 腰椎症
腰椎症(ようついしょう)は、腰椎(腰の部分の脊椎)が加齢や過度の負担によって変形・退化し、痛みやしびれを引き起こす状態です。特に中年や高齢者に多く見られる疾患で、ぎっくり腰の原因の一つです。
4. 圧迫骨折
圧迫骨折は、脊椎の椎体が圧迫力によって潰れるように変形する骨折のことを指します。特に高齢者や骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の患者に多く見られる疾患です。圧迫骨折は、背骨自体が潰れることによる痛みや、姿勢の変化による神経痛を引き起こすことがあります。
5. 仙腸関節炎(せんちょうかんせつえん)
仙腸関節炎とは、骨盤の左右の腸骨(ちょうこつ)が仙骨(せんこつ)と作る左右対の関節です。関節を固定する仙腸靭帯(せんちょうじんたい)の炎症や、仙腸関節の離開(りかい)により、お尻の部分に痛みを起こすものです。
これらの疾患がある場合は、筋肉、筋膜系のぎっくり腰とは別の対処法が必要になります。この場合、病院での画像検査や、カイロプラクティックの専門検査などが必要になることがあります。
ぎっくり腰の具体的な対処法
ぎっくり腰が発生した場合、迅速かつ適切な対処が重要です。以下に効果的な方法を紹介します。
1. まずは休息
ぎっくり腰が発生したら、まずは安静にすることが大切です。無理に動かそうとせず、痛みを感じない姿勢で休息を取ります。横になって膝を少し曲げると楽になることがあります。
2. 患部の冷却と温熱療法
痛みが強い初期や、患部を触って熱っぽく感じる時は、冷やすことが有効です。氷嚢や冷却パックをタオルで包み、15~20分程度冷やします。最初は冷たいですが、しばらくすると慣れて来ます。この対処法は、患部に炎症がある場合、冷やす事によって早くに炎症を取る事ができます。
ぎっくり腰を発症してから2、3日してまだ痛みが残る場合、今度は温めることで血行を促進し、筋肉の緊張を和らげます。お風呂に入ることも有効です。
3. ストレッチと軽い運動
痛みが和らいできたら、軽いストレッチや歩行を行い、筋肉をほぐします。ただし、無理をしないことが大切です。具体的なストレッチ方法としては、腰を左右にゆっくり回す動作や、背中を丸めたり反らせたりする動作がおすすめです。
4. 消炎鎮痛剤・シップの使用
痛みが強い場合は、市販の消炎鎮痛剤を使用することも検討してください。現在は冷シップの中に消炎鎮痛剤が練り込まれているものもあります。この使い分けですが、特に明確なものはありません。鎮痛剤の効果によって、痛みを一時的に緩和してくれます。
5. 姿勢の改善
日常生活での姿勢を見直すことも重要です。デスクワークをする際は、腰に負担をかけないような椅子の選び方や、姿勢の取り方を工夫しましょう。
6. コルセットの装着
コルセットは腰部を固定し、腰の不用意な動きを防止することで痛みを抑えます。また、腰回りを締めることで腹圧を上げ、腰にかかる負担を軽減する作用もあります。ぎっくり腰を起こした当日で、どうしても動かないといけない時は、硬めのコルセットを利用するのがおすすめです。
ぎっくり腰の対処をしてもよくならない場合は整体院に相談
いろいろな対処によって一旦ぎっくり腰が良くなった後も、症状が再発したり、痛みが引き切らない場合は、整体院での治療をおすすめします。筋肉以外の関節、神経、靭帯などに隠れた問題が潜んでる可能性がります。
ぎっくり腰を根本から改善するためには、整体院の治療を受けることが重要です。以下に治療院の選び方を解説します。
1. 専門性
ぎっくり腰の治療に特化した整体院やカイロプラクティック院を選びましょう。腰痛治療の経験が豊富な専門家が在籍しているか確認することが大切です。
2. 評判と口コミ
地域の人や知り合いから、おすすめの治療院を聞くことも有効な手段です。全く自分と同じ症状とは限りませんが、それは信頼できる治療院を見つけるのに有効な情報となり、大変参考になります。
インターネット上の口コミなどは、最近は信憑性に欠けるものも少なくありません。口コミの内容など、しっかりと精査し、具体的に書かれている内容が多い治療院を選ぶのが良いでしょう。
3. カウンセリングの充実
初回のカウンセリングで詳しい問診を行い、あなたの症状に合わせた治療プランを提案してくれる治療院を選びましょう。患者とのコミュニケーションを大切にする治療院は信頼性が高いです。
ただこれは事前に知る必要があります。治療院に相談窓口がある場合は、まずはそちらに問い合わせてみて体の相談をしてみましょう。そこで納得する説明がされるかどうかで、治療院の良し悪しを見極めることができます。
まとめ
ぎっくり腰は突然発生し、その痛みは非常に辛いものです。しかし、適切な対処法を知り、早期に対処することで痛みを和らげ、回復を早めることができます。さらに、日常生活での予防や適切な治療院の選び方を理解することで、再発を防ぐことが可能です。痛みに悩まされる前に、信頼できる整体院での診断と治療を検討してみてください。
もしぎっくり腰に悩んでいるなら、ぜひ専門の整体院にご相談ください。プロの手による治療で、早期の回復と再発防止を目指しましょう。