”顎がカクカク鳴る”
”あくびの際に「ガクン」という大きな音がする”
”顎が痛くてリラックスできない”
このような顎にまつわる症状でお悩みなら、それは「顎関節症」かもしれません。
しかし、ほとんどの治療院が他の関節痛に比べて症例数が少ないことから、顎関節症の原因究明が曖昧になり、治療難民が多いのもこの症状の特徴なのです。
今回はそんな「顎関節症」について、
✔︎顎関節症とはどういう病気なのか?
✔︎症状や原因、どこで治療してもらうのが良いのか?
✔︎痛みがなければ放置して良いのか?
このような疑問について、細かく解説していきます。
顎関節症とは?
顎関節症とは顎の関節に異常が起きて、口の開閉がうまくいかなくなる症状のことを言います。
例えば口の開け閉め時にカクカクと音が鳴るものから、大きく口を開けたときに顎が”ガクン”とズレるものまで様々です。
またその際に痛みを伴ったり、場合によっては開口動作自体ができなくなってしまうと、食事でストレスを感じたり、その他の日常生活に支障が出る事があります。
顎関節症の症状
✔︎いつも片側の顎や耳、後頭部が重だるい。
✔︎痛みで食事をするのが億劫になっている。
✔︎歯医者で口を大きく開ける事ができない。
✔︎口を開けるだけでカクカクと音が鳴る。
✔︎あくびで口を大きく開けると「ガクン!」という大きな音がする。
✔︎肩こりがひどくなると、顎の痛みや音が鳴る。
顎関節の仕組みはどうなってる?
顎関節症は左右の顎関節にズレが生じる事で起こります。
顎関節とは、左右の耳の前に存在し、下あごの骨と側頭骨(頭蓋骨の一部)とが繋がっている部分の名称です。
顎を開いたり閉じたりする動作は、この顎関節を支点として動いています。
顎関節症が起こる原因
顎の骨はブランコのような仕組みになっていて、頭蓋骨の一部、左右の側頭骨にぶら下がる構造になっています。
よって顎のズレは側頭骨の歪みに大きな影響を受けます。
頭蓋骨は複数のパーツに分かれており、その中の側頭骨にズレが生じた場合、左右の高さが変わったり、横にスライドしたりして顎関節の位置が大きく変わる事があります。
ブランコに例えると、ロープと支柱がつながる部分が顎関節になります。支柱部分は頭蓋骨(側頭骨)、ブランコが下顎骨です。
ブランコの支柱が斜めになると、吊り下がったブランコ自体も斜めに傾き、揺らした時の動きに支障が出ますが、顎関節もこれと全く同じ原理で不具合が起きる。
これが顎関節症が起こる隠れた原因なのです。
顎関節症は放置していれば自然治癒するの?
顎関節症は軽度の場合、痛みがないことがよくあります。
よって「そのうち治るだろう…。」と考えて、そのまま放置している人もいるようですが、まず顎関節症の自然治癒は起きないと考えてください。
むしろ症状は悪化していきます。
顎関節内には、顎をスムーズに動かすためのクッション材「関節円板」と言うものが入っていて、噛み合わせが悪い期間が続くと、顎の開け閉めによって関節円盤が擦り切れ、損傷する場合があります。
そうなると顎の関節に炎症が起きてしまい、口を開けられないほどの強い痛みになったり、顎関節脱臼を何度も起こしてしまうようになります。
顎関節症の治療について
顎関節症の治療は、病院なら口腔外科や歯科医院、手技療法ならカイロプラクティック院などで受けられます。
ただ、病院とカイロプラクティックでは顎関節症についての治療法が大きく異なります。
口腔外科や歯科医院では、顎関節症の治療の際、口腔内に問題があると考えているので、噛み合わせを矯正するような治療が主体となります。
それに対して、カイロプラクティックでは前章に述べた、頸椎から頭蓋骨に歪みが派生して、結果として顎関節症が起きていると考えるので、顎関節意外にも頭蓋骨や頸椎の調整も行います。
当院の顎関節症治療の考え方
当院が顎関節症の治療で最も大切にしている事は、顎関節症を”顎だけの問題”にとどまらず、上半身全体の問題と捉えているところにあります。
顎関節は頭蓋骨と繋がり、そして頭蓋骨は背骨(頚椎)と繋がっている訳ですから、背骨が歪むとそれが顎の動きにまで波及するのです。
実際に顎関節症患者の頚椎を検査すると、例外なく歪みが見つかり、その影響で頭蓋骨にもズレが起きているのです。
当院の顎関節施術では、まず頚椎を中心とする上半身を支えるバランスを調整し、そして頭蓋骨を正常な位置に調整します。
そうすると、下顎骨は自然と正しい位置におさまり始めるのです。