あなたは体に軽い痛みや違和感を感じていて、忙しかったりめんどくさくてついそのまま放っておいた経験はありますか?
その違和感、放っておくと後で強い痛みに変化するかもしれませんよ!
実は先日、そんな患者さんを診させていただいたのでその時のお話をさせていただきます。
結論から話すと、その患者さんには以前から致命的な腰椎のズレがあったにもかかわらず、それを長年放置してついに坐骨神経痛になってしまいました。
しかし、当時のご本人の自覚はお尻に感じる軽い違和感だけだったので大したことは無いと思っていたのです。
もしあなたにも心当たりがあるなら、ぜひこの話を参考にして考えてみてくださいね。

こんにちは。今日はどうされましたか?

以前から右のお尻から太ももにかけて違和感があったんですが、1ヶ月前に突然立ち上がったときに両方の足に痛みと痺れを感じて今も治らないんです。
でこれはもうやばいんじゃないかと思って今日来ました。

なるほど。ちなみに今はどんな感じですか?

はい。椅子に座っていると右足全体に違和感というか痛みを感じていて、このように立ち上がると両足に痺れが出ています。
以前からジムに行ってトレーニングをしているんですが、「デットリフト」という種目をするときに痺れが強くなるので怖くてやってないんです。

なるほど。普通の腰痛とかの症状ではなさそうですね。
話を聞いていると坐骨神経痛のような症状もありますから、一度立っていただいて姿勢を見せていただけますか?

はい。

てはここの前で立ってみてください。
検査中…

なるほど。分かりました。
ではもう少し詳しく体の状態を検査しますので、今度はこちらのベットにうつ伏せに寝てみてください。

はい。
さらに詳しく検査中…

ありがとうございます。大体わかりました。
ではこのまま施術を行なっていきますので、全て終わってから説明をしますね。

はい。お願いします。
施術中…

はい。終わりました。
では起き上がってまた最初のようにもう一度立っていただけますか?

はい……

あれっ?!

どうしました?

いやっ、さっきまで感じてた右足の違和感が今無いんです。
えっ、なんで??

うまくいきましたね。
では、さっき座った状態から立ち上がると両足に痺れが出るって言ってましたので、もう一度椅子に座って立ち上がってみてもらえますか?

はい。分かりました。

あれっ!痺れがない!!
さっき確かにあったんですけど、今もう痺れは感じないです。
えっ、どういうことですか?

はい。では今からそれについて説明しますので、お掛けになってください。

まず〇〇さんの体を検査したときに問題があったのが、腰椎です。
腰椎というと、骨盤と繋がる背骨の腰の部分の骨なんですが、その一番下の骨、腰椎5番の骨が前方(お腹側)にずれていたんです。
それが今回起こっていた坐骨神経痛のような痺れや痛みの症状の原因だったんです。

背骨(腰椎)にはお尻や太ももなどの下半身に繋がる神経が出ていて腰椎がずれてしまうと、その神経に当たってしまうんです。
立っているときに感じていた右足の違和感は神経が当たっている時の症状で、立ち上がりの動きを起こすときには今度は強く神経を圧迫するんですね。
そうすると片足だけではなく両足にも痺れの症状が出てしまう、それが〇〇さんの椅子から立ち上がった時の痺れだったんです。

そうだったんですか?
実は、右足の違和感は学生時代から感じていたんですが、特に辛い痛みなどではなかったので、病院には行かなかったんです。
そのまま放って置いたんですが、それがまずかったんでしょうか?

えっ!そんな昔から症状があったんですか?
それはちょっと放って置き過ぎなんじゃないですか?
まあ大変なことにならずに良かったですが、そもそも坐骨神経痛の原因はその時からあったでしょうね。
しかし、今回はもう放ってはおけないですよ!
骨盤と腰椎の状態が安定するまでしばらくはジムでの筋トレは控えましょう。

当時はそんなこと気にもしなかったです。
今日先生が言ってくれた事で、症状の原因がよく理解できて安心しました。
ジムでの筋トレができないのは残念ですが、しばらくは体を治すのに専念します。

そうですね。
ずっとトレーニングができないわけではないですから、良くなったらまた以前のようにやってただいて良いんですよ!

はい。ではしばらくお世話になります。
とここまでが患者さんとのやりとりでした。
今回のポイントは坐骨神経痛の原因は腰椎のずれが原因だったということです。
そしてそのずれは、学生の時から起こっていた可能性があり、今回の筋トレで悪化したと推測できます。
そしてこれは私の感覚ですが、体には少々骨格構造に問題があっても耐える力、すなわち耐用力というのがあって、
それが10代20代、30代40代、50代60代と段階的に落ちていく気がしています。
そして症状の強さもこれと比例しているのです。
あなたも「20代の頃は大丈夫だったのに30代に突入すると、急に体に不調を感じるようになった気がする。」そんなふうに思ったことはありませんか?
このように、耐用力が年齢に応じて下がっていく事はある意味仕方ないことだと思います。
その上で骨のズレが起こらないようにどうやって気をつけるか?
これが耐用力の低下を補完し、健康を維持することだと思います。
もし今あなたが、以前から感じている体のサインがあって、まだそれほど辛くはないと思っているなら、症状悪化の初期症状が始まってるかも!
手遅れになる前に何か手を打っておいた方が良いですよ。
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